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出会いのマグネット [日々の出来事]


001、サンタ.JPG


 「こんにちわ〜サンタです。暑い日が続きますので私を見て涼んで下さいな。」




002、赤サンタ、青サンタ.JPG


 「いやいや、そりゃだめでしょう?サンタは寒い時期にほっこりするのに赤なんであって暑い時に見たら暑苦しいんじゃないですか〜?」


 「なんじゃ君は!?ひげはサンタらしいけど帽子が青ってサンタ協会の規定から外れておるぞ!」


 「え〜、いきなりそこツッコミます〜!?それはね〜それはね〜、、、ナイショですよ。実はですね、、、」


003、ゆきんこ.JPG


  「kuni さんがマグネットを頼まれたんですけど、ゆきんこ6人にサンタ1だったのね。で、ゆきんこの帽子の青を着色している時に勢い余ってサンタの帽子まで青にしちゃったんですよ。そのあとあわてて予備で作ってあったゆきんこにヒゲを付けて帽子を赤にしたという訳ですよ。だからあなたは僕の後に生まれてるんですよ〜。」


 「何!わしの方が年下ということか!?なんてこった、、、。」


 「あっはっは。というわけでここからは僕が仕切りまんでよろしく〜。」





004、カエデの翼果実.JPG


 「5月の初めのことなんですけどね、ある方からゆきんことカエデとレリーフいろいろのマグネットという注文をいただいたんだそうです。ものつくりの仕事をしている方で kuniさんの作品をものすごく理解出来る方だったようで、その方からこんなメールをいただいたそうですよ。」



 「大きな支えをなくしとてもお辛いですね。誰しもいつかは訪れる定め。それでも残された人は生きていかないといけない。生きることは自分を活かすことだと思います。kuniさんは素材を生かし、木に新たな命を吹き込んでいるのだから素晴らしい!

 


 センスのよい作品からもお人柄が伝わってきますが、作家でありながら独りよがりに押しつけてこないで、依頼者の希望に寄り添おうとするスタンスも、値段と手間が合わないくらいとてもよく考えられ、素材と対話しながら特性を活かしているところも、加工方法や作業行程を素人にもわかりやすい目線で惜しげもなく紹介されたり、作ること伝えること喜んでもらうことに使命感さえも感じられたりと、本当に素晴らしいです。エンターテイナー!


 大好きなものに囲まれて一緒に歳をとりながら暮らしたい。その一つにどうしても加えたい! kuniさんの作品を見てそう思ったのでドキドキしながらメールしました。」


 


 「 kuniさんね、このメールを見てジーンとして何度も読み返していたそうですよ」


 


005、木のレリーフ、アラカルト.JPG


 「これはレリーフのアラカルト。あのメールを見て、今回は採算は忘れて自分が前に進むためにも納得ゆくまで作ろうと思ったんだそうです。だから見て下さいよ、一つ一つに気合いが入っちゃって。」


 


 


006、木のアート.JPG


 「わずか40ミリ角の中にこの木目ですよ!この材料めちゃくちゃ選んでますよね!」


007、不規則な年輪.JPG


 「年輪幅 0.5ミリほどでなおかつ不規則に濃い色が入っている。こんな材料は 100枚に1枚しか見つからないでしょう。 kuniさん、ホームセンターで何時間も粘ってましたもの」


 


008、木のレリーフ.JPG


 「ひょー!ですよね!?この上と下の年輪の対比」


009、アテ.JPG


 「右上の方に濃くて太い年輪が集中していて下はおとなしい木目だからあんな対比になるんですね〜」


 


010、木目のマジック.JPG


 「わちゃー!!!これ6個のパーツを年輪がぴったり一致するところで切って貼り合わせてあるんですって。中央の白い菱形がまた変化を付けていて、これって狙ったんでしょうねぇ、、、。」


011、年輪.JPG


 「貼り合わせた中央の上をみると白い縞が V字に入っていますよね?これかぁ、これが白い菱形に見えてくるんですねぇ、、、、なるほど〜」


 


012、木目のアート.JPG


 「おーこりゃまた、うねった面に合わせて木目もうねってますよ!」


 


013、六角の掘り込み.JPG


 「これ、5回やり直したって言ってましたよ」


 


014、木目の豊かさ.JPG


 「なんかひょうきんな木目ですね、見てると微笑んじゃうなぁ」


 


 「そして、今回の目玉、奇跡の木目!」


015、奇跡の木目.JPG


 「どういう向きに組み合わせてもちゃんと花びらのような木目がきれいに出るんですよ!これは奇跡です!」


 


016、奇跡の木目.JPG


 「僕これ作る時ちゃんと見てたんですけど、25個作って納得出来た4個の組み合わせはひとつだけだったんですよ!例えばこれなんかは」


 


017、奇跡の木目.JPG


 「単体で見るととってもきれいだし面白いけど」


018、奇跡の木目.JPG


 「それぞれの個性が強すぎて4個の木目が一致しないですよね?」


 


019、奇跡の木目.JPG


 「これが納得のものなんですけど、勝手が解るようにチョークで印を付けて、今は中央に印が付いて木目も一致しているでしょう?」


 


020、奇跡の木目.JPG


「こうして2個だけをひっくり返しても木目が揃っている!これはすごいことですよ!!!もう奇跡を起こしたとしか思えない!!!」


「先日ね、 kuniさんの同級生が10年ぶりくらいに訪ねて来てくれたんですよ。制作途中のこのレリーフを見て、”わぁ〜作り続けているんだねぇ〜”って心底関心していたんですよ。その時 kuniさんが”これを作り続けることがおれが生きてるって証だからなぁ”って何気なく言ったんですけど、泣けちゃったんですよね、、、」


 「 kuniさんは大学を卒業するころに自分がお母さんを看取るべき立場なんだと悟って以来ずっとそれを心にしまって生きて来たんですね。そしてお母さんが亡くなってしまうとまるで自分が存在する意味さえなくしてしまったようで生きる気力をなくしてしまったんだそうです。頭ではこの先自分がなすべき事は解っていても体が動いてくれなくてどうにもならなかったんですね、、、。そんな時にこんな出会いがあって、随分力づけられたんですって。この3ヶ月 kuniさんを見てると、少しずつぼんやりする時間がなくなって仕事に集中できるようになって来てるんですよ。


 まだまだこの先が見たいですよね〜」


 


 「おい、ところで君も一緒に行くのか?」


 「もちろんですよ!僕、自分の名前考えました!語部三太、いいでしょう!?」


 「 Mさん! kuniさんに代わって御礼申し上げます。出会って下さって本当にありがとうございました!そして僕は皆と一緒にもうすぐ行きますからね〜。お楽しみに〜!」


 


 


 


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凛の新作 [日々の出来事]

 

037、木目彩色の一輪挿し「凛」ピンク1.jpg

 ふた月ぶりの更新ですね、みなさんご無沙汰してました。

 じつは、2月2日に母がガンで逝きました。微笑ましい親子とは決して言えませんでしたが、逝ってしまうとなんとも悲しく、未だに心の穴を埋められずにいます。

 僕の作品は感性の鋭い方や木工にある程度の理解がある方ではないと理解しにくい面があるのでしょう。母は僕の作品をさっぱり理解出来ませんでした。木目の一本一本に自由に彩色するという方法はそんな人のためにも是非とも実現させたいアイディアでした。今回「凛」を彩色しながら「これならオフクロでも理解できたかなぁ?」と思えて、今後は「オフクロでも理解できるものを」と想像しながら創ることも大事なテーマかな?と思っています。

 

045、木目彩色の一輪挿し「凛」ライトグリーン3.jpg

 

 他にもイタヤカエデの朽木杢のものも作ったのですけど、 

019、木の一輪挿し「凛」イタヤカエデ朽木杢A3−1.jpg

 この朽木はですね、2年前にイタヤカエデの丸太を買って来て、工房の脇の草むらに放置してわざと腐らせたものなんです。ちょうど良い杢が出た部分はごくわずかでしたけれど、自分で意図しても朽木杢は出来るのだと解ったのは収穫です。

  さて、まだブログに本格復帰ではありませんが、ひとまず近況報告とご無沙汰のお詫びでした。

 

 「凛」の新作はこちら。 

 

 


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形見のそろばんケース(刳り物) [特注の小物]


 お久しぶりです、ご無沙汰してしまってごめんなさい。実は昨年の秋から身内の健康問題が発生してすっかり生活が変わってしまい、仕事と病院で精一杯でブログどころではなくなってしまっています。そんな中でもブログからの嬉しい注文がいくつかありましてね、今日はそのひとつを。

 昨年の8月のこと、フォトフレームを注文下さった方から祖父の形見のそろばんのケースをお願い出来ないだろうかとのお問い合わせがあったのです。もちろんお引き受けして、そのそろばんを送っていただいてびっくり。

001、形見のそろばん.JPG

 立派なそろばんで、

002、上端留形蟻組み継ぎ.JPG

 4方枠の組み手は「上端留め蟻型組み継ぎ」ということになるかな?いい仕事してます。それと最初は気がつかなかったのですけど、側面に小さな小さな、、、

003、楔ホゾ.JPG

 なんと、仕切り板の先が1.5×4.5ミリほどのほぞになっていて1.5ミリ角の楔が入っているではありませんか!
いや、これにはびっくりしました。こんな細い穴を空けるには特注のノミが必要だったでしょう。芸に遊ぶというか、なんとも粋な職人さんですねぇ〜。

 で、こんな仕事に対してどんなケースが有り得るのか随分考えました。お客様から提示された予算の上限は10万とこれまたびっくりでしたので、手間のかかる仕事も可能ですけど、この手間のかかったそろばんに対比させるには厚い無垢材を掘り込んだものにしたいなぁ、、、と考えたスケッチが次です。

004、そろばんケース.jpg

 身はカリンの杢でふたはヤマモミジの鳥目杢。閉まった状態はただの四角で開けるとアーチ型の掘り込みになっていてそのアーチ部分は指を入れる空間です。使い勝手から来る形をデザインとするという発想でようやく納得できました。このスケッチを描くまで3ヶ月お待たせしちゃいました。このアイディアに快諾いただき、年末にようやく作業に入りまして、

005、型.JPG

 これが削り出しの型で、四角の溝に材料が嵌ります。

006、型.JPG

 裏にはアーチ型に掘り込む溝が付いてます。

007、刳り物.JPG

 材料をしっかり固定して、

008、刳り物.JPG

 ルーターという機械で掘り込んで行きます。中央に見える直径15ミリの刃物は超硬という、ものすごく硬い金属でできていましてね。人造ダイヤの砥石じゃないと研げないものなんですが、これを自分できっちり研いで作業しました。

009、刳り物.JPG

 こういう風に無垢材を掘り込んで形を作る仕事を木工の世界では「刳り物」(くりもの)と呼びます。広辞苑によると、刳るは「えぐって穴をあける」とありました。

010、刳り物.JPG

 カリンも同様に、


011、刳り物.JPG

 半日かかって削り終えました。失敗するとやり直す材料がないのでものすごく緊張して終わった時には体がコチコチになってました(笑)でも結果は完璧!自分で研いだ刃物がこんな完璧な削りをしてくれたことに「おぬし、やるのお〜」とか自画自賛。

 そして年末年始にかけて2週間ほど寝かせて狂いを出させてから狂い取り。

012、平面出し.JPG

 機械の定盤にサンドペーパーを貼付けてその上でねじれと反りを直します。そうしてようやく完成したのですが、頭にゆとりがなくて完成写真を撮り忘れてお客様に発送してしまいまして、、、そしたら写真を撮って送って下さったのですねぇ、、、。

 なのでここから先はお客様が撮って下さった写真です。

013、刳り物のそろばんケース.JPG

 ヤマモミジという材はイタヤカエデと間違って混穫されるため材料屋さんで出くわすことはごく稀な材なんです。おまけにその鳥目杢でしょう?こんなものは運が良くないと手に入りません。十数年前に手に入れて保管してあった材です。刳り物というのは刳ることで材料のバランスがくずれてその後で形が狂うのです。だから新しい材よりもなるべく長い間寝かせてあった枯れた材の方がいいのです。

014、ヤマモミジとカリンの刳り物.JPG

 木口を見ると鳥目がずーっと成長している様が見えます。

015、カリンのリボン杢.JPG

 身のカリンの側面には順目と逆目が縞状に並んだリボン杢とも言える模様が出ています。



016、ヤマモミジの鳥目杢.JPG

 このあたりは鳥目に加えて縮み杢も見えます。そしてこれをちょっと開けると


017、刳り物.JPG

 アーチ状がちらり。

018、そろばんケース.JPG

 開けるとなるほどの指が入る空間でしょう?



020、円筒蝶番.JPG

 真鍮製の円筒蝶番はとっても高級感があって大好きな金物なんです。でもこれ取付精度がなかなか微妙なんですよねぇ、、、。

 お客様にもとても喜ばれて仕合わせなお仕事でした。

 Oさん、本当にありがとうございました!




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